国内消費者の「魚離れ」が進む中、家庭内のイカの消費量も年々減少しています。(水産庁:水産物の消費動向から)水産庁・文科省はもとより、水産関連各種団体等も魚食普及を進めていますが、数字としての成果が見えていないのが現状です。
そうした中、実際にイカの魅力を消費者に直接アピールしてみようと、このたび料理教室を開催いたしました。(日時:9月26日、場所:東京水産振興会調理室)
講師は「株式会社ウエカツ水産」のウエカツ氏(元漁師で元水産庁職員の上田勝彦氏)。今回お招きしたのは次の理由から。
「魚を食え!」と吠えそうなウエカツ節を想像していましたが、自信に溢れた大きな声での説明には 買いやすく、作りやすく、美味しくする工夫が随所にこらされていて、イカ料理の魅力が存分に伝わってきます。実際に、早速その日の帰りにイカを買い、作って夕食に出したという報告もありました。(こちら)
最初にご紹介させて頂いたのは「船上凍結イカの生産」の映像。普段食べているイカが、水揚げされてから製品として市場にでるまでの、関係者以外はまず見る機会が無いと思われる映像です。
映像では、イカがいかに(シャレではありません)新鮮で清潔で安全に製品化されているかをご覧頂くことができます。観た後の質問では、
イカは手頃な値段で、生はもちろん、加熱しても旨味が豊富。下処理にも手間がかからず、火の通りも早いので料理法も多く、干したり冷凍しても品質の劣化が少なく、保存にも適しているため古くから食べられてきました。特に「釣り」で獲られたイカは、網で擦れていないので姿も美しく、最近ではブロック凍結だけではなく一尾凍結も出回っています。冷蔵庫に常備しておけば、家庭のおかずにはうってつけの食材といえましょう。栄養面では、高タンパク低カロリー、塩分を体外に排出する機能を持つカリウムが豊富、抗酸化作用のあるビタミンE、強壮効果のあるタウリン、そして味覚や生殖機能に関係している亜鉛なども含んでいます。本日はイカの下ごしらえを始め、イカの食材的特性を活かした基礎的な調理法をいくつかご紹介いたします。
(ウエカツ氏の資料より)
全員が確実に一杯は捌けるよう、船凍イカ(船上凍結イカの略)は多めに用意しました。他の魚と違い、イカは解凍後に再冷凍しても品質や味の劣化が少ないという実に扱いやすい食材です。鮮度が良くて安いイカを見つけたら、是非多めに買っておきましょう。ウエカツ流イカのさばき方(協会HP内)
調理法の特徴を活かした、簡単でおいしいレシピを班ごとに挑戦。あちらこちらからウエカツ先生を呼ぶ声がひっきりなしに聞こえます。
調理した献立は、文字だけで見ると地味な印象を受けたかもしれません。が、一口食べてびっくりしたはず。味は抜群、香りは華やか!野菜とのコンビネーションが、イカの美味しさをより引き立てます。併せて、会場に隣接するブルーバードカフェのシェフが作った船凍イカを使った料理(右の写真)も実食。大変好評でした。さらにお土産として全国いか加工業協同組合よりまるか食品の「イカ天瀬戸内れもん味」をご提供頂きました。